骨太21、地域・街区での脱炭素化を推進

─成長戦略、中核データセンター5カ所に

 政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2021」及び「成長戦略実行計画」をこのほど閣議決定した。ともに、脱炭素化を含むグリーン社会の実現とデジタル化の強力な推進、地方創生などに重点を置いた内容となった。

特に「2050年カーボンニュートラル宣言」の実現に向けた方針は基幹部分。骨太は住宅・建築物の脱炭素化について、「規制的措置を含む省エネルギー対策を強化し、ZEH・ZEB等の取り組みを推進するとともに、森林吸収減対策を強化する」と明記。地域・暮らしの分野で地方自治体や国民の取り組みを推進する脱炭素先行地域を少なくとも100カ所、30年までに創出することで「脱炭素ドミノを起こす」としている。年内に区域指定を予定するスーパーシティを起点に、「スマートシティ重点整備地域」も選定し、選定地域では街区内の包括的な脱炭素化を推進する。

 また、骨太第3章「生産性を高める社会資本整備の改革」には、「不動産IDなどの不動産関連データの連携促進等を進める」が記載された。このほか既存住宅市場の活性化のため、長期優良住宅など住宅ストックの良質化や空き家の活用・除却への支援推進、所有者不明土地の円滑な利活用・管理を図る仕組みの充実といった内容も同部分に明記されている。

 成長戦略実行計画には、「次世代データセンターの最適配置の推進」が盛り込まれた。高性能・低消費電力のDCの中核拠点を、新たに国内に最大5カ所程度設ける。同時に、需要を勘案しつつ、最大10カ所程度の地方拠点も設ける構想。今後のデジタル需要とデータ通信量の急増に対応する。

2021.06.25