ワクチン職域接種、不動産業界でも準備

―森ビルはヒルズ3カ所で10万人対象に

 新型コロナウイルスワクチンの接種を職場などで行う「職域接種」の準備が不動産業界でも進んでいる。一般企業では社員や協力会社を接種対象にしているケースが多いが、不動産業界ではオフィスのテナント企業の従業員も対象に加えているケースもある。

 森ビルは21日から、虎ノ門ヒルズ(東京・港区)、六本木ヒルズ(同)、アークヒルズ(同)の3カ所で職域接種を開始する。接種の対象は同社や同社グループの社員とその家族の計7000人に加え、同社オフィスに入居するテナント企業の従業員、同社が管理する住宅の入居者、商業店舗のスタッフも含め、合計10万人規模になる見通し。「街を挙げて大規模かつ迅速に接種に取り組む」(同社広報室)としており、11日夕までに発表している不動産会社の中では最大規模の対象人数となる。虎ノ門ヒルズに関しては港区の要請を受け、週末には自治体接種会場となる。

 森トラストは、東京と仙台の計4拠点で、約4.2万人の職域接種を実施する申請を行った。接種対象は同社グループ会社や、運営・運営委託先ホテル、業務委託先の社員希望者のほか、テナント企業での接種にも協力する。東京では港区の神谷町エリア(1万6500人予定)のほか、丸の内エリア(9900人予定)、品川エリア(5400人予定)で実施する。仙台では1万人を予定している。

 三井不動産も、社員とその家族を対象に、職域接種を21日から実施する準備を進めている。三菱地所も実施する方向で検討中。ハウスメーカーでは、アキュラホームがグループ会社と取引企業の従業員やその家族計約1万人を対象に実施する予定。

2021.06.18