
マンション建替え、5分の4要件緩和へ
―区分所有法と被災マンション法、改正議論開始
区分所有法の建替え決議要件(5分の4以上賛成)の緩和を検討する議論がスタートした。実現すれば、昭和58年に同法に5分の4要件が登場して以来の大改正となる。所在不明など建替え決議に不参加で意思表示をしない者を決議の分母から除外することや、被災マンション法の再建・取壊し等の5分の4要件の緩和なども論点になる。
老朽化・被災したマンションの再生円滑化を目指し、区分所有法と被災マンション法の改正に向けた検討を行う区分所有法制研究会が立ち上がった。有識者や両法律を所管する法務省、国土交通省など関係省庁が参画する。事務局は金融財政事情研究会。研究会で論点整理を行った後、法務省の法制審議会で議論を本格化させる。法制審議会への移行時期や法改正の時期は未定だが、できるだけ速やかに結論を得る方針で進める。
区分所有法の建替え決議のあり方を見直す。5分の4要件の単純な引下げのほか、所在不明の区分所有者や賛否を明らかにしない区分所有者を除外して多数決をとる仕組みも論点とする。分母からこうした区分所有者を除く場合、一定の要件と手続を経て除くことを検討する。また、現在は当事者の意思で変更できない「強行規定」とされている5分の4要件を、規約で要件緩和が可能な「任意規定」とすることも議論する。
区分所有法の5分の4要件の緩和は他の法律への影響も大きく、委員は慎重な姿勢だが、議論の結果複数の論点が同時に実現することもあり得る。マンション建替えの要件緩和が大きく前進する可能性がある。研究会は今後、建替えに精通したデベロッパーやコンサルタントなどを招いた意見聴取も実施していく。
2021.05.28