住宅を適正評価した金融商品開発を支援

―国交省が公募、一体的な仕組みづくりへ

 国土交通省は、良質な住宅ストックが適正に評価される環境を構築するため、住宅の維持向上から評価、流通、金融商品までを含めた一体的な仕組みづくりを支援する。「住宅ストック維持・向上促進事業(良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業)」の事業者の公募を開始した。維持管理やリフォームによる資産価値の向上が評価されない現在の住宅市場からの転換を図る。

 補助対象は①開発に係る費用(上限2000万円)②体制整備・周知に係る費用(上限1000万円)③性能維持・向上に係る費用(上限戸当たり100万円)―の3分野の費用。募集は先導性の高い「先導型事業」と、長期優良住宅認定制度や安心R住宅制度など既存施策を活用した手法で既存住宅の普及を目指す「普及型事業」に分ける。先導型は①~③を補助、普及型は②と③を補助対象とする。

 開発の費用としては具体的には、建物の価値の維持向上に資する項目や、そのインスペクションの方法、開発する金融商品の対象住宅の質や融資可能額等の検討のための費用が挙げられる。体制整備・周知の費用には、チラシの作成やホームページの改修費用などを想定。性能維持・向上の費用は、インスペクションの実施や瑕疵保険への加入(中古流通・リフォーム時に限る)費用などをイメージする。

 企画者(プロデューサー)を中心に、宅建業者・不動産鑑定士や建築士、工務店、検査・履歴業者、金融機関といった関係主体が連携した協議会で行う事業が対象。主に住宅の良質性に着目した金融商品の開発を想定することから、金融機関の参画が必要となる。

2021.04.16