国交省、不動産業のTCFDガイダンス

―提言対応、開示までの6ステップを解説

 国土交通省は、「不動産分野TCFDガイダンス」を公表した。気候変動関連財務情報開示タスクフォースの提言(TCFD提言)に対応し、日本の不動産に特化した気候変動対応の情報開示方法を指南する。情報開示を行う不動産会社だけでなく、機関投資家や金融機関が開示情報をどう読み込めば良いかの参考にもなるよう作成した。不動産業界がTCFD提言に対応した情報開示へ踏み出す流れを作るのが狙い。

 TCFD提言は、企業に対し、気候変動関連のリスクと機会が財務的にどのような影響を及ぼすのか、項目を挙げて開示することを推奨する。気候変動対応のための組織のガバナンス、戦略、リスクマネジメント、リスクと機会を評価したうえでの目標などが推奨開示事項となっている。1.5度、2度、4度など、将来想定される複数の気候変動(気温上昇)シナリオを分析し、影響を評価することも求める。

 ガイダンスは、開示までの手順を解説する。段階ごとに、①ガバナンス整備②重要リスク・機会の特定③シナリオ特定④事業インパクト評価⑤対応策の説明⑥文書化と情報開示―の6つに分け、それぞれのステップの内容を詳しく説明する。

 気候変動関連の「リスク」には、低炭素社会への移行で資産の価値が将来的に下落する「移行リスク」と、災害などの「物理リスク」がある。移行リスクには、将来的に温室効果ガス排出価格の何らかの負担を強いられる可能性などがある。物理リスクには風水害の過酷化や海面上昇などが挙げられる。「機会」も同様で、移行機会にはエネルギー効率の評価が高い建物の資産価値上昇、物理機会にはレジリエンス計画による市場評価の向上などがある。

2021.04.09