国や都など、高台まちづくりでWG設置

―モデル地区の取り組み共有、具体化推進

 国、東京都および沿川区の実務者による「高台まちづくり推進方策検討ワーキンググループ(WG)」が29日、東京都庁で初回会合を開催した。WGの委員長には、国土交通省水管理・国土保全局の藤巻浩之・治水課長が就任した。WGは、「災害に強い首都『東京』の形成に向けた連絡会議」(座長=山田邦博・国土交通省技監)の内部に設置されたもの。高台まちづくりモデル地区に設定された自治体の取り組み状況が報告された。

 WGに参加したのは、連絡会議が昨年12月にまとめた「災害に強い首都『東京』形成ビジョン」で高台まちづくりを実践するモデル地区に設定された墨田区、江東区、北区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区の荒川・江戸川沿川の7区。このうち、北区は水害から避難するための避難場所を氾濫する河川によって見直し住民に周知したことや、災害時に注意が必要な浮間地区などの問題点をまとめ報告した。荒川と新河岸川に挟まれた浮間地区は、避難時には新河岸川を渡る必要があるが、橋は3カ所しかなく、一斉に非難すると交通渋滞が起こる可能性を指摘。今後対応策を検討する。また、「ビジョン」で災害に強い拠点づくりの検討が明記されていた足立区は、都立中川公園周辺など4カ所のモデル検討候補地を説明した。

 このほか、「ビジョン」が示した水害対策に対応する高台まちづくりを支援する国や都などの制度を、「高台まちづくり推進方策リスト」としてまとめて共有した。WGでは今後、高台まちづくりの具体的な推進方策についてさらに検討を進め、検討結果を連絡会議に報告する方針。

2021.04.02