重説書の電子化社会実験でガイドライン

―国交省、書面交付の必要性を再度周知

 売買取引の重要事項説明書等を電子化して説明相手に交付する社会実験が開始され、国土交通省は、従来から同様の社会実験を継続している賃貸取引と兼用のガイドラインを策定した。売買の重説書等を電子化して交付する際の実験上でのポイントを整理している。

 社会実験で電子化が認められる書面は、宅建業法第34条の2(媒介契約書)、第35条(重要事項説明書)、第37条(契約時の書面)の各書面。これらに改ざん防止処理をして電子ファイルにし、メール添付またはダウンロードできるようにして説明相手に送ることができる。ただ、電子書面の交付のみでは宅建業法が義務付ける書面を交付したことにはならない。これは賃貸取引での書面電子化社会実験でも同じだが、新たなガイドラインでは再度、随所で注意を呼びかける。

 社会実験では別途、宅建業法が義務付ける記名押印された書面の交付が必要になる。重要事項説明書と契約時の書面は、宅地建物取引士が記名押印した書面を事前に交付。媒介契約書は、宅地建物取引業者が記名押印した書面の交付が必要。また、この社会実験はIT重説が前提となる。IT重説前に、電子書面で説明を行うことの相手の同意書作成や、重説中は録画を実施すること、重説後には実施報告を行うことなど、実験の各段階の参加事業者の責務もまとめる。

 現在、国会で審議中のデジタル社会整備法案には、重説書等の書面交付・押印の義務を廃止する宅建業法の改正が含まれている。改正法により、重説書と契約時書面は、押印が廃止され記名のみとなる。媒介契約書は、書面の場合は記名・押印の義務は残るが、電子書面の場合は押印が廃止される。

2020.03.19