真の豊かさ目指し分散型の国土構造に

―国交省、地域でデジタルとリアル融合

 国土交通省は8日、国土審議会計画推進部会「国土の長期展望専門委員会」の第13回を開催し、地域と国土の魅力向上や地域生活圏の施策について議論した。議論のなかで、昨年の中間とりまとめで示した「真の豊かさの実現」に向けて、ポストコロナ時代の目指すべき国土構造は、大都市と地方の双方の強みを生かした「分散型の国土構造」と示した。

 分散型の国土構造は、全国、広域ブロック、地域生活圏、生活エリア(小学校区程度)の4層でその役割と機能を分ける考え方。このうち地域生活圏は、日常生活の基盤であり、日常の都市的機能の提供を行う範囲。概ね10万人以上程度の人口規模の圏域で検討しており、テレワークで関心が高まっている地方移住や二地域居住の受け皿と位置付ける。同会議は分散型の国土構造を実現するには「地域生活圏の維持強化が不可欠」と重要視する。

 地域生活圏の維持強化の方向性で示されたのが、デジタル化の推進とリアルの充実に加え、両者を有効に組み合わせる取り組みを圏域で実施する方法。具体的には、ビッグデータを活用し個々人に対するきめ細やかな生活関連サービスを提供することや、AIやIoTを活用した地域エネルギー需給の最適化など。これらを通じた地域の魅力が新たな対流を創出することで、「真の豊かさ」につなげる。地域生活圏の圏域設定はシミュレーションなどを通じて固めていく。

 会議では二地域居住の推進も重要な取り組みとして、「全国二地域居住等促進協議会」を紹介した。委員から二地域居住について、コストがかかり裕福な人しかできない点が課題との意見があった。

2020.03.12