全国地整局に「不動産業適正化推進官」

―国交省が新ポスト、地域の不動産業振興

 国土交通省は、4月1日付で全国の地方整備局と北海道開発局に、「不動産業適正化推進官」を置く。賃貸管理業法の規制と地域の不動産業振興を担う現地責任者で、地元の不動産業界団体支部長や都道府県と連携する。本省とのパイプ役として、業界に資する新たな不動産政策の調整や協議にも携わる。

 不動産業適正化推進官は、地方整備局の建政部の部長の下、課長より上位の新ポスト。同じく4月から、賃貸管理業法の業者登録制度(6月開始)の登録事務を行う「特定転貸事業適正化係長」も設置される。推進官と係長の2名はともに純増人員で、全国の8地方整備局と北海道開発局合計で18名を充てる。

 サブリース事業者に対して誇大広告や不当勧誘などを禁止する賃貸管理業法の規制が、20年12月15日に施行された。違反行為に対しては立入検査を行う場合があり、推進官は検査・指導の総括役として現場を指揮する。同時に国交省が大きな役割を期待するのは、地域との高度な連携だ。推進官をアクセスポイントとして、これまで日常のコミュニケーションがとりにくかった地元の不動産業者と地方整備局の連携を深める。そのうえで不動産業を通じた地域づくりと産業振興を支援していく。

 規制がスタートしているサブリース業者に対しては、各都道府県の不動産部局と消費者部局、不動産業界団体支部と、指導・監督体制を構築する。警視庁や県警とも反社会的勢力の排除で連携。6月に始まる賃貸管理業者の登録制度の登録推進と、事業者のコンプライアンス強化も進めるほか、サブリースのトラブル情報を収集・分析し本省へ情報提供する役割も担う。

2020.02.12