
デジタル整備法、2月上旬に国会提出へ
―宅建業法や区分所有法でも脱・判子書面
政府は「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」(デジタル社会整備法)を今通常国会に提出する。デジタル化は菅義偉内閣の肝いり政策。脱書面・脱判子の実現に向けて、これらを義務付けている法律を一括で改正する。宅地建物取引業法や区分所有法の改正が含まれ、住宅・不動産業界でも押印廃止と書面の電子化が進展しそうだ。
宅建業法の改正では、不動産取引の重要事項説明書、契約締結時書面の押印が廃止される。これらの書面と、不動産の媒介契約を締結した時に依頼者に書面での交付が義務付けられている媒介契約書は、相手方の承諾を得ればPDFなど電子書面を用いることが認められる。媒介契約書は、紙の場合は押印義務が残るが、電子書面であれば押印不要になる。この改正で、重要事項説明をオンラインで完結させるための法的土台が整う。借地借家法も改正され、定期建物賃貸借の事前説明事項も、相手の承諾があればオンラインで行えるようになり、電子書面での契約も可能になる。
区分所有法でも押印廃止・書面電子化が進む。現行では、区分所有者の集会(建物や敷地の管理に関する事項を決定するため年1回以上開催)の議事録には、議長と集会に出席した区分所有者の2名の署名押印が必要。改正後は署名のみで良くなる。また、区分所有建物が大規模一部滅失した場合の「復旧決議に伴う買い取り請求に関する通知・催告」と、区分所有物の建て替え決議があった場合の「建て替えへの参加を問う催告」は、書面で行う必要があったが、相手の承諾を得れば電子書面を用いることが認められる。 デジタル社会整備法は、2月上旬に閣議決定を経て国会に提出される見通し。
2020.01.29