SBJ銀行とブリッジ社が業務提携

クラファン商品を紹介、ESG投資の促進も

 韓国大手・新韓金融グループの日本法人であるSBJ銀行は、ブリッジ・シー・キャピタル(以下、ブリッジ社)と不動産投資のクラウドファンディングサービスで業務提携を結んだ。SBJ銀行は顧客にブリッジ社が展開する不動産投資クラウドファンディングサービス「CREAL」を紹介し、手数料を得ると同時に、自行が扱う金融商品の拡充を図る。ブリッジ社はSBJ銀行が持つ幅広い顧客に自社サービスが提供されることで、顧客層の拡大につなげる。また、今回の提携は顧客に「CREAL」の対象施設である保育園や学校といった分野への投資を拡大させることで、ESG投資を促進させる狙いがある。

SBJ銀行(Shinhan Bank Japan)が属する新韓金融グループは、韓国証券取引所およびニューヨーク証券取引所に上場しており、株式時価総額は韓国金融機関で第1位(各銀行のWebサイトよりSBJ銀行調べ)。 不動産投資の分野では、個人投資家を中心に投資用マンションやアパートの紹介、海外不動産(ハワイ州ホノルル)の仲介などを展開。他には個人投資家向けに不動産用フリーローンサービスを手掛けている。また不動産テック企業のGAテクノロジーズと提携し、住宅ローンのデータベースを共同で作成するなど不動産テック領域にも注力している。

SBJ銀行は業務提携により、顧客サービスの拡充を狙う。SBJ銀行に貼られたリンクから「CREAL」を紹介する専用のホームページに移動し、サービスの情報を提供する。SBJ銀は成約段階でブリッジ社から手数料を得る。 ブリッジ社は運用資産残高が約300億円の不動産AM会社。個人向けの不動産投資を中心に展開している。不動産投資サービスの1つである「CREAL」は、煩わしい契約実務や不動産管理をインターネットで簡略化できることや、物件やマーケット情報の詳細を開示するなど情報の透明性が高いことで人気があり、2020年6月時点で調達金額は40億円超。投資対象はレジや保育園、学校、ホテルなど。

「CREAL」の投資対象である保育園や学校は、近年、ESGの観点から注目されており、個人投資家からの人気が高いアセットの1つ。案件毎の資産規模は数千万円から数十億円程度だが、レジよりも利回りが高く、かつ景気の動きに連動しない安定性に魅力がある。新型コロナウイルスへの影響が少ないこともあり、足元では個人投資家がホテルや商業施設から、保育園や学校へ投資対象を変える動きがある。

2020.07.31