
21年度予算案、国交省は5.9兆円規模
─政府閣議決定、組織改正の内容も固まる
政府は21日、21年度予算案を閣議決定した。国土交通省関係の国費総額は5兆8981億円(一般会計、前年度比1%減)となった。21年度予算は「15カ月予算」の考え方により20年度第3次補正予算と一体で編成され、補正と合わせると9兆1893億円(55%増)の規模。21年度予算は「国民の安全・安心の確保」「持続的な経済成長の実現」「豊かで活力ある地方の形成と多核連携型の国づくり」を3本柱に掲げる。
国民の安全・安心の確保のうち、核となっているのが、あらゆる関係者が協働する「流域治水」の推進で、8794億円(3次補正予算含めて前年度比94%増、うち3次補正分は3826億円)を充てる。密集市街地対策や建物・建築物の耐震化の促進には、623億円(21%増、3次補正分19億円)を計上した。
持続的な経済成長の実現には、「都市の国際競争力の強化」のため133億円(3%増、うち3次補正3億円)を充てる。3密を回避した「新たな日常」に対応しつつ、都市の国際競争力を強化するため、ゆとりある空間を確保した大規模都市開発プロジェクトや広域連携を進める。また、「ビジネスでの利活用に向けたデータ基盤や提供環境の整備」に44億円(4%増、うち3次補正2億円)を計上し、その内訳として、感染症拡大に伴う不動産市場の変化を踏まえた不動産投資市場の活性化推進、不動産管理業の健全な発展を図るための制度周知や実態調査実施などを盛り込んだ。
豊かで活力ある地方の形成と多核連携型の国づくりの分野に、空き家対策や二拠点居住推進、既存住宅流通活性化などの政策メニューが並ぶ。空き家対策は、適正な土地利用の推進と合わせて129億円(14%増)を計上。地方移住への関心の高まり等、不動産市場の変化に対応した空き家・低未利用土地等の活用推進を進める。既存住宅流通・リフォーム市場活性化には87億円(7%増)を充て、コロナの感染拡大に伴う二拠点居住などの需要の高まりに応じた既存住宅ストックの活用推進を行う。
2020.12.25