
ウィーワーク、起業促進へ渋谷区と連携
―3拠点で企業誘致や事業者育成を拡大へ
ウィーワーク・ジャパン(東京・港区、佐々木一之CEO)は15日、東京・渋谷区との間で起業家育成や企業誘致拡大などを目的とする連携協定を締結した。同社が行政と公式に手を組むのは神戸市、横浜市に続き3件目で、「区」との協定は初めて。ベンチャーやIT関連の企業が多い渋谷区では新型肺炎の影響でテレワークが広がり、賃貸オフィスの空室率が上がっている。区は国内外の多様な企業を顧客に持つシェアオフィス運営大手と連携し、手厚い支援で創業・起業や拠点開設の件数を増やしたい考えだ。
ウィーワークが6フロアを借りるJR渋谷駅直結の複合施設「渋谷スクランブルスクエア(渋谷SS)」で同日、佐々木CEOと長谷部健区長が覚書を交わした。同社が区内で運営する3つの拠点を連動させ、優れた人材や企業を生み育てたり、国内外から企業を誘致したりする活動を広げる。区の紹介で施設を使う企業に対し利用料を優遇する措置なども検討している。
渋谷SSの店舗は同社の国内拠点では最大規模。昨年12月の開業以来、37~41階の5フロアを使ってきたが、16日に45階にも出店した。コロナ下で企業が事業拠点を分散させる動きがあり、同店舗では「利用希望の問い合わせ件数が7~8月は4~6月に比べ4倍に増えた」(佐々木CEO)という。
協定は、渋谷区民でもある佐々木CEOが長谷部区長に働きかけて実現した。同社は18年8月に渋谷区第1号店となる「ウィーワークアイスバーグ」を開設し、昨年12月には渋谷SSとリンクスクエア新宿(渋谷区)の2拠点を稼働させた。国内には東京、名古屋、大阪など6都市で合計36の店舗を運営している。
2020.10.23