
コロナ後の不動産市況の予測手法を検討
―国交省、21年度に識者や団体と定期調査
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の拡大や、「新たな日常」への移行が不動産市場にどのような影響を与えるか、21年度に専門家や業界団体とともに情報収集と分析を始める。これらの影響を経た投資家の動向調査なども併せて行うことで、迅速な施策の実施と不動産投資の喚起につなげる。
コロナ流行の長期化で、在宅勤務などが新たな日常として定着しつつある。新たな日常による不動産市場の変化を早期に把握し分析するため、有識者や業界団体と連携し、定期的な情報収集と調査・分析を行う。将来予測には、コロナ感染拡大後の数カ月分だけでなく、過去のデータ分析も重要になる。過去の不動産関連指標や経済指標の動きをAIで分析し、これらの指標と不動産の取引価格・取引量の相関関係も導き出す方針。相関関係を把握したうえで、それをもとに将来的な不動産市況の予測手法を検討する。過去データのAI分析と、有識者や団体などとの情報分析を、個別に行うか一体的に行うかは今後検討する。
また、投資家に対して「投資地域の選択で重視する項目」や、日本の不動産への投資状況を調査する。ESG投資の推進に必要な事項や、不動産投資で支障となっている事項も把握することで、日本の不動産投資を活性化させたい考え。
このほか、コロナにより地方移住の関心が高まったことから、郊外の自治体がサテライトオフィスの立地や移住・定住を促進するための立地の判断に活用するための「面的データ」を構築・普及させる。これらを総合した「不動産市場の的確な把握及び実態分析」に、21年度概算要求で3500万円を要求した。
2020.10.16