
国交省、21年度予算要求で住宅需要喚起
―コロナ対策、セーフティN機能も強化へ
国土交通省は25日、21年度予算概算要求を公表し、一般会計で前年度比1%増の5兆9617億円を要求した。21年度は、財務省通知により要求額が対前年度同額となったことに加え、今年度末で3カ年緊急対策が終了するため「臨時・特別の措置」の上乗せがない。代わりに別枠でコロナ対策を含む「緊要な経費」の要望が認められた。国交省はその部分に明確にされただけでも523億円を要求した。緊要な経費全額は示していない。
緊要な経費の内訳は、金額がまだ固まっていない「事項要求」と、金額明示可の「事項要求以外」がある。事項要求には、3カ年緊急対策後の災害への備えや、コロナで危機的状況に陥った観光の再生、住宅対策などが盛り込まれた。住宅対策は、市場がコロナによる個人消費の冷え込みの影響を大きく受けたことから、需要喚起策を主軸に据える。これら事項要求の中身は、今後の予算編成過程で詳細を詰める。事項要求以外は523億円。うち342億円を感染拡大防止のための官庁施設の換気設備改修などに充てる。また、4億円をコロナで住宅確保が困難となった世帯の暮らしを守る住宅セーフティネット機能の強化に投じる。
緊要な経費のほかに要求した重点項目のうち住宅・不動産関連は、「密集市街地対策や住宅・建築物の耐震化促進」に548億円(前年度比9%増)、「空き家対策や地域の魅力を活かすための適正な土地利用等の促進」に128億円(15%増)、「既存住宅流通・リフォーム市場活性化」に92億円(13%増)、「住宅セーフティネット機能の強化」に1139億円(3%増)―など。これらの要求額には+αとして、緊要な経費のうち事項要求を行う部分が加わる。
2020.10.02