災害に強く過密に配慮したまちづくりを

─榊・都市局長が会見、スマートCも推進

 国土交通省の榊真一・都市局長は16日、専門紙記者会の就任会見に臨んだ。「都市行政の基本は、安全で安心して暮らせるまちづくり。豊かで暮らしやすい地域づくりを全国で進めていく。一方で、大都市は厳しい都市間競争にさらされている。世界の有力都市に負けないよう、都市に競争力をつけて日本経済の発展に貢献したい」と抱負を語った。

 基本と語る安全・安心のために、喫緊の課題となっているのが災害への対応だ。前国会では都市再生特別措置法を改正し、災害レッドゾーンでの新規立地の抑制や、安全な地域への移転促進の仕掛けを盛り込んだ。しかし、激甚化している水災害には、部分的な治水対策では不十分になっている。そこで国交省は、河川の「流域治水」の考え方が重要と考える。「まちづくりも流域全体をとらえながら、流域のさまざまな関係者と連携して進めていきたい」(榊局長)とする。

 また、新型コロナウイルスの流行で、都市局が掲げる都市再生の方針「居心地が良く歩きたくなるまちなか」をどう実現させていくかも大きな課題。榊局長は、「満員電車など、コロナによって都市の抱える過密という問題が改めて突きつけられた」と認識する一方、「過密に配慮しながらも、多様な人材が集い、交流して、新たなアイデアが生まれる場を生み出していくという方向性は変わらない」との考えを示した。

 データ活用や最新技術の都市実装を進めるスマートシティ施策も所管分野。昨年15件、今年7件のモデル都市が決まり、それぞれの取り組みが動き出している。これからスマートシティに挑戦したいという都市に対しても、「ガイドラインを今年度末をメドに策定する」(榊局長)と話す。

2020.09.25