国交省、総力挙げた防災・減災PJ策定

―災害リスク情報活用したまちづくり推進

 赤羽一嘉・国土交通大臣を本部長とする国土交通省防災・減災対策本部が、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」をまとめた。省内の全部局横断で取り組む10項目の主要施策を掲げる。本格的な大雨の季節を迎え、施策の実行を急ぐ。

 主要施策は、①あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」への転換②気候変動の影響を反映した治水計画等への見直し③防災・減災のためのすまい方や土地利用の推進④災害発生時における人流・物流コントロール⑤交通・物流の機能確保のための事前対策⑥安全・安心な避難のための事前の備え⑦インフラ老朽化対策や地域防災力の強化⑧新技術の活用による防災・減災の高度化・迅速化⑨わかりやすい情報発信の推進⑩行政・事業者・国民の活動や取り組みへの防災・減災視点の定着―の10項目。

 まちづくり関連では、都市計画法改正による災害ハザードエリアの開発抑制(22年4月施行)や、同エリアからの移転促進、立地適正化計画の強化(20年9月施行)などが盛り込まれた。また、災害リスク情報がまちづくりに反映しやすい形で提供されるよう、モデル都市で検討を行うことや、災害リスク情報を活用したまちづくりのガイドラインを今年度中にとりまとめることも示した。雨水が川に流れ込まないよう、再開発ビルの敷地内に雨水貯留施設や地中への浸透施設などを整備した場合に、容積率を緩和する制度の創設にも取り組む。

 不動産関連では、民間の経済活動に防災・減災を考慮する仕組みを導入する観点から、「不動産取引時の水害リスクの説明義務化」が今夏から導入されることが⑩などに登場している。

2020.07.17