国交省、不動産市場の面的データ構築へ

―官民指標を組合せ、自治体向け指針作成

 国土交通省は9日、「不動産市場動向等の面的データの地域における活用手法検討委員会」(座長=大久保敏弘・慶応義塾大学経済学部教授)を立ち上げ、初会合を開いた。国交省や地方自治体が保有するデータや民間データを組み合わせ、地域の政策検討のための新たな面的データ構築を目指す。こうしたデータを構築するノウハウが十分にない自治体向けに、20年度中にガイドラインを示す方針だ。

 国交省では昨年度、「不動産市場動向の情報を含む面的データを用いた自治体における政策検討手法の整備」をテーマに議論してきた。地域の政策課題には、様々なデータを効果的に組み合わせて、政策検討のためのデータを新たに作成することが有効となる。しかし自治体にはデータを構築・活用するノウハウが十分にないことが課題となっている。

 同検討委員会はこれまでの議論を引き継ぎ、①空き家予防策・建て替え促進の検討に資する面的データ構築②空き地を活用したエリアマネジメント・市街地活性化策の検討③公的不動産の最適配置・利活用検討―の3案をベースに更に検討を進める。各案について、面的データの構築・表示・活用手法をまず検討し、自治体も実施できるようガイドラインの作成も進める。

 ガイドラインは、「エリア別の将来的な空き家の発生見込みを示す面的データ」と「エリア別の公的施設の充足状況(需給状況)を示す面的データ」のノウハウをまとめる予定。委員会は年度内3回をメドに開催する。組み合わせるデータはオープンデータもしくは民間のデータでも安価に入手が可能なデータを用いることとする。

2020.07.17