関係人口拡大に都市と地域結ぶ拠点活用

─国交省、ライフスタイル懇が論点整理

 国土交通省の「ライフスタイルの多様化等に関する懇談会」(座長=小田切徳美・明治大学農学部教授)は、関係人口の拡大・深化に向けた課題を整理した。地域づくりにライフスタイルの多様化をどのように活かしていくか、3つの課題を示した。

 同懇談会は、人口減少・少子化が進行するなか、地域の活力維持には「関係人口を含めた地域の活動力を高めていく必要がある」と、関係人口の重要性を強調する。関係人口とは、地域外の人だが、移住でも観光でもなく、特定の地域と継続かつ多様な形で関わって地域の課題解決に資する人のこと。同懇談会は三大都市圏に1000万人を超える関係人口が存在していることをこれまでの会合で示した。そのうえで今後の検討課題を①人と地域とのつながりによる地域づくり②取り組みが持続可能となる環境整備③シェアリングを活用した共助システムの構築─の3点に整理した。

 地域に人を引き込むには都市と地域を結ぶプラットフォームが必要で、具体的には「都市側および地域側の双方の関係案内所」を提案。関係案内所にいる関係案内人等が地域住民らと有機的に連携・協働することで、つながりのサポートを発揮することが重要と示した。ライフスタイルの変化で登場したシェアリングエコノミーは、公的サービスのレベルが低下している地域で公的な役割を補完する可能性があると指摘。公的サービスを支えるシェアエコを活用していくための環境整備を進める考えを示した。  今後は新たに「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」を設置し、新型コロナウイルスが関係人口に与える影響を踏まえた議論を展開する方針。

2020.07.10