
土地への意識、3割「所有したくない」
―土地白書、有利な資産と考える人が減少
国土交通省は、20年版「土地白書」をまとめた。第1部第1章恒例の「土地問題に関する国民の意識調査」で、「土地は預貯金や株式などに比べて有利」と考える人の割合が27.1%となり、93年度の調査開始以来最低の割合となった。「そうは思わない」と考える人は過去最多の45.3%。新たに「土地を所有したいと思うか」の質問をしたところ、3割が「所有したくない」と考えていることも分かった。
土地の所有意識が大きく変わってきている。「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か」の設問は、「そう思う」の回答が93~94年度は60%を超えていたが、18年度32.6%、19年度27.1%で、19年度はついに3割を切った。新たに質問した「土地を所有したいと思うか」については、「所有したい」が56.6%で半数以上に土地の所有意向があったが、「所有したくない」と回答した人も32.5%存在した。
土地を「所有したい」と回答した人の理由は、「居住用住宅等の用地として自らで利用したいから」が57.7%で最多。次いで「子どもや家族に財産として残したい(相続させたい)」が36.5%だった。一方、土地を「所有したくない」と回答した人の理由は、「所有するだけで費用や手間がかかるから」が30.0%、「使い道がないから」が25.1%で、この2つの理由で5割を超えた。
20年版の土地白書は、このほか第1部のテーマ章(第2章)を「人口減少社会における土地の利用と管理を巡る動向」と設定。地域の活力の維持・向上に向けた取り組みとして渋谷駅周辺の大規模再開発などを紹介するほか、管理不全土地の現状、このほど公布された改正土地基本法の内容をまとめている。
2020.06.26