空き家特措法、21年通常国会で改正視野

―自民党、施行5年で見直し議論スタート

 自民党の住宅土地・都市政策調査会中古住宅市場活性化委員会(委員長=井上信治・衆院議員)と空き家対策推進議員連盟は、初の合同会議を開催した。議員立法で成立した「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)」が施行から5年が経過したことを受け、見直しの議論を始める。必要であれば来年の通常国会での改正法案提出を見据えている。

 空き家特措法は、市町村が国の基本指針に沿った空家等対策計画を策定することなどを定める。倒壊のおそれがある危険な空き家を「特定空家等」と定義し、最悪の場合は代執行で除却できるようにもした。同法は施行5年で見直しを行うことを附則で定めている。初回会合では、国土交通省から同法の施行状況についてヒアリングが行われた。

 国交省によると、空家等対策計画は、19年10月1日時点で1091の市区町村が策定済み(対象1741市区町村)。特定空家等は、196物件(行政代執行・略式代執行の合計)が市区町村によって除却されたが、まだ1万6333物件が残る。このほか空き家関連の取り組みとして、空き家を相続して一定要件のもと売却した場合に適用できる「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」を紹介。市区町村からの同税制の確認書交付が累計で2万1579件となり、広く活用されていることも報告した。

 また、地方自治体から空き家対策について寄せられた要望も報告。「特定空家等に至る前段階での措置が必要」「マンパワー不足。空き家対策に取り組むNPO法人や不動産業者などとの連携を促す仕組みを」といった声があったことを説明した。

2020.06.12