
スーパーシティ、年内メドに5都市誕生
─法成立、秋にかけて自治体の公募開始
スーパーシティ構想実現のための制度設計を定めた改正国家戦略特別区域法が27日、参議院本会議で与党中心に賛成多数で可決・成立した。法律の成立を受けて、政府は夏から秋にかけてスーパーシティを目指す自治体の公募を開始する。年内をメドに5都市程度のスーパーシティが決定する見通しだ。
スーパーシティは、AIやビッグデータといった最先端技術の活用と規制緩和により、未来社会を実装する都市。移動、物流、支払い、行政、医療・介護、教育など、生活全般にまたがる複数領域で幅広くデータ連携し、住民の福祉と利便性の向上を図る。個人や民間企業、政府・自治体が持つデータを、「都市OS」と呼ばれるデータ連携基盤が受け皿となって集め、先進的な地域住民サービスに活用できるようにする。
法施行は8月下旬頃。その後、選定基準を定めた基本方針を決定する。現在54自治体からスーパーシティのアイデアが寄せられている。公募後、5都市程度を年内をメドにスーパーシティとして選定し、選ばれた自治体は内閣府とともにスーパーシティの事業計画を立案。実現が必要な複数の規制改革を含めて、住民合意を前提として事業内容全体を一体的に検討する。
スーパーシティ実現で重要となる都市OSの構築は、都市間でバラバラなシステムの乱立を防止することを目指す。都市OSの相互運用ができれば、先進的サービスが横展開できるようになる。異なるソフトどうしでデータをやりとりする接続仕様「API」を公開する方針。スーパーシティ構想は、片山さつき・前地方創生相が提唱。法案は19年の通常国会・臨時国会では成立せず、今国会で成立となった。
2020.06.05