
テナント賃料、免除分は全額損金参入に
―国交省ら、コロナ対策で法人税負担軽減
国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の影響で、テナントからのビル等の賃料を免除した場合、損害額を法人税の損金と扱うことを明らかにした。9日付で、他の支援措置の案内とともに不動産関連6団体に通知。国交省から国税庁への要望で実現した。適用要件など詳細は近く国税庁が公表する。
新型コロナの影響で、飲食店を中心にビル等のテナントは賃料の支払いが困難な事態に陥っている。こうしたテナントに対しビル等の所有者が賃料を減免した場合、損失額を全額損金として計上することができるようになる。通常、賃料の減免に応じた場合はその額は寄付金扱いとなり、全額は損金算入できない。法人税基本通達に、取引先が災害を受けたために債権の全部または一部を免除した場合は、寄付金には該当しないものとする取り扱いがあり、新型コロナのケースを準用する。対象はビルや商業施設など非住宅の賃料。
国税庁の詳細発表以前に新型コロナの影響で発生した賃料減免も対象となる見通し。国交省は3月31日に不動産協会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会、不動産流通経営協会、全国住宅産業協会、日本ビルヂング協会連合会の6団体に対し、テナントのビル賃料支払い猶予要請を発した。今回の措置も、同じ6団体に事務連絡として通知している。
賃料減免分の損金計上のほか、近く公表される中小事業者や個人事業主向けの国の給付金制度なども案内した。その他留意事項として、家賃債務保証会社による保証を利用していて賃料の支払いを猶予している間は、保証会社の代位弁済の請求ができないケースがあることも連絡している。
2020.04.17