電気設備の浸水対策指針の原案を公表

―国交省ら、事例集とセットで3月完成へ

国土交通省と経済産業省は18日、マンションやオフィスビルなどの電気設備の浸水対策ガイドラインについて原案を示した。ガイドラインの記載内容とリンクする事例集をセットにして、取り組むべき内容を視覚的に分かりやすくした。原案をベースとしてさらに改良し、3月中旬頃に開催予定の第4回検討会でガイドラインを完成させたい意向。

 原案は、両省合同の第3回「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」で公表した。対象建築物はマンション、オフィスビル、庁舎、病院、商業施設など幅広い。浸水対策は大きく分けて「浸水リスクを低減するための取り組み」と「浸水した場合の取り組み」に分かれる。低減の取り組みは、平時に浸水のおそれが少ない場所への電気設備の配置、出入口付近のマウンドアップ、止水板・土嚢配備などを挙げる。浸水した場合の取り組みには、仮設キュービクルの手配や設置場所の検討を行っておくことが必要とまとめた。

 事例集は、建物種類別の主な対策を図解する。地上31階地下4階建てのオフィスビルで電気設備を地上階に設置したケースを図示。防潮板や水密扉の位置も示した。マンションの事例は、10階建て分譲マンションで、周辺地盤面より約2mかさ上げして建築工事を行った事例などを紹介している。浸水対策は建物の下層での対策となるため、建物の高さがあっても基本は共通。タワーマンションにも応用できる。  ガイドラインは特別高圧または高圧で電力供給される大規模建築物を想定するが、中小規模の建築物でも浸水対策の参考となる内容になっている。

2020.02.28