
住宅瑕疵担保保険、各種検査の合理化を
―国交省検討会、全宅連などにヒアリング
国土交通省は7月30日、「制度施行10年経過を見据えた住宅瑕疵担保履行制度のあり方に関する検討会」(第6回)を開催し、関係団体からのヒアリングを実施した。全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、リノベーション協議会(リノベ協)、マンション計画修繕施工協会(MKS)など5団体が意見を述べた。
全宅連は、住宅瑕疵担保保険のうち、既存住宅売買瑕疵保険の利用が会員間で進んでいない状況を確認。会員からその理由として、「物件価格や建物価値に関係なく一律で保険料が設定され、安い価格帯の物件に対して保険料のコストが高い」や「不動産売却はなるべく早く成約させたいが保険の検査や手続きが面倒。引き渡しまでのスケジュールも遅れる」などの声があったことを紹介した。そのうえで「一般消費者のニーズや理解度が低い。瑕疵担保保険を付保しても必ずしも物件価格の上昇につながっていない」と指摘。普及促進のため、現在は別々の主体が行っている瑕疵保険の検査、建物状況調査(インスペクション)、フラット35の適合検査などの合理化・統一化を求めた。
リノベ協は、既存住宅売買瑕疵保険について、保険の対象がほとんど共用部となるため、区分所有者が加入するインセンティブになりにくいことを挙げ、専有部と共用部に分けた保険の組成検討を提案した。MKSは大規模修繕瑕疵保険について提言。保険事故で防水に関する事故件数が多いことを踏まえた対策などを求めた。このほか、日本住宅リフォーム産業協会、主婦連合会も参加。国交省は、10月に行う第7回会合を最終回とし、11月までに今後の同制度に関する最終とりまとめを行う方針。
2019.08.09