
老朽化M問題、外部専門家の活用を促進
―眞鍋住宅局長、駆け込み需要「なし」
国土交通省の眞鍋純・住宅局長は、10月に消費税の税率引上げを控えた足元の住宅市場について、「前回の引上げ時に比べると、駆け込みや反動減はみられない」と、専門紙記者会の合同会見で語った。住宅ローン控除やすまい給付金の拡充、次世代住宅ポイント制度の創設など、早い段階から次々と対策を打ったことが奏功したとみている。「ただ、今後の影響については分からない面があり10月以降の着工などの情報を見極めていきたい」(眞鍋氏)。
老朽化マンション問題に対しては、「まず日常の管理の適正化、大規模修繕、そして出口としての建替え・売却。この3つが円滑に進むようにするための環境づくりが必要」としたうえで、日常管理については外部専門家の活用に言及。「管理組合が主体性をもって機能することが必要だが、過半が高齢者という管理組合も増えている。住宅局の調査でも外部専門家を活用したいという組合からの意向が見て取れる」(同)。国交省は16年に標準管理規約を改正し、外部専門家の活用方法を示したが、実際の活用事例はまだ少ない。活用促進のための再点検を進める方針だ。
また、建築物省エネ法が改正され、住宅トップランナー制度の賃貸を含む大手事業者供給物件への拡大、小希望住宅の施主への省エネ性能説明義務化などが始まる。住宅をとりまく省エネのあり方が大きく変わる。「多くのプレーヤーが関わる。準備を徹底し、早いうちに必要な情報を開示したい」(同)。86年入省。以降住宅政策に長く携わってきた。「今までのやり方にとらわれず、常に新鮮な情報や考えを取り入れて政策を立案したい」(同)
2019.09.27