
国交省、新たな総合的土地政策を議論
─インフラのリート化、データ分析など
国土交通省は、国土審議会土地政策分科会企画部会(第33回)をこのほど開催し、今後の土地の「最適活用の実現」に向けた方向性について、委員との意見交換を行った。来年予定されている土地基本法改正の更なる先を見据えた「新たな総合的土地政策」の策定議論の一環。3年前にまとめた提言「土地政策の新たな方向性2016」をベースに幅広く意見を募った。
「2016」では、成長分野の確かな需要に的確に対応し、円滑に土地・不動産を供給する「最適活用」、活用の選択肢を増やし、隠れた需要を顕在化させる「創造的活用」などのキーワードを掲げている。今回は「最適活用の実現」と「最適活用を支える情報基盤の充実」を議論した。
杉山博孝・不動産証券化協会会長(三菱地所会長)は、リート市場の拡大に触れつつ、「将来的にコンセッションにおけるインフラ投資をリート化できないか。地方案件も多く、リートに取り込めれば、新たな展開となる」と提案した。谷山智彦・ビットリアルティ取締役は、今後進められていく土地に関わるデータのオープン化に言及。「統計に精通したスタッフが国交省にいないのでは。不動産データの分析をする統計専門チームがあるべき」と要望した。佐々木正勝・全国宅地建物取引業協会連合会常務理事は既存住宅の流通活性化のため「築年数のある物件でも長期の住宅ローンを組めるように」と、安心R住宅の基準をクリアするなど優良な既存住宅に対してはファイナンス面を改善することを求めた。 10月7日の次回は「創造的活用の実現」を中心に意見交換する予定。中間とりまとめは12月下旬に公表する。
2019.09.20