買換え特例、土地面積要件の緩和求める

―不動協が税制改正要望、設備投資を促進

 不動産協会は9月13日、理事会を開催し、「令和2年度税制改正要望」を決定した。設備投資を促進し成長力を強化する「不可欠な重要税制」として今年度末に期限切れを迎える「長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例」について、延長に加え、買換資産の土地面積要件(現行300㎡以上)を緩和する拡充も求めた。

 面積要件の緩和によって例えば、再開発計画地から転出する小規模な地権者などが適用されるようになり、再開発事業を促進する側面がある。また、要件未満の事業用不動産を保有する幅広い中小事業者にとっても新たな設備投資がしやすくなるというメリットがある。加えて新築住宅に係る固定資産税の軽減特例の延長、居住用財産の買い換え・売却に伴う特例の延長を含めた計3点を今回の重点的な要望に位置付けた。

 このほか主な要望項目は①国家戦略特区に係る特例の延長・拡充(貸付供用施設の特例適用)②働き方改革を実現するための支援措置の創設(サテライトオフィスやシェアオフィスの設置に対する税制上の支援)③老朽化マンションの建て替え等の促進に係る特例の延長・拡充等(マンション敷地売却及び敷地分割に係る税制上の支援措置の整備)―など。

 理事会後の記者懇談会で菰田正信理事長(三井不動産社長)は、税制改正要望について「消費税の引き上げをしっかりと乗り越え、経済の好循環を確実なものにするには、産業構造の変化を踏まえた企業の設備投資など成長力を高めていくことが重要」と強調。「持続可能な社会の形成に向けて、イノベーションを創出するまちづくりを通じて社会構造の課題などを解決することが期待されている」と述べた。

2019.09.20