新たな土地政策、従来の考え変えて臨む

─国交省の青木・土地建局長が就任会見

 国土交通省の青木由行・土地・建設産業局長は9月2日、専門紙記者会の会見に応じた。所管の土地行政と建設・不動産業界について、「データ関係や新しい技術が進展するなど環境変化が起きている。人口減もポジティブにとらえて、各分野の施策を進化させたい」と抱負を語った。

 来年の土地基本法の改正や、その先を見通す「新たな総合的土地政策」に向け議論が本格化している。土地利用に対する意欲が減退する中での議論は、これまでの人口増加を前提とした考え方を見直していく必要があると指摘する。「所有権についての考え方も変えていくような、新しい気付きが必要。そして民間がこれから新しく取り組む分野にもつながっていくような議論をしっかりやっていきたい」(青木氏)とし、従来の考え方に縛られ硬直した議論では対応できない、大きな問題に直面している危機感をにじませた。

 足元ではサブリース問題に揺れる賃貸不動産管理業界への対応も課題。賃貸住宅管理業者の登録制度について法制化が検討されている。「専門的知見で不動産の価値を維持したり上げていくという管理業は、大きな役割を果たす産業になっていくべきと強く思う。管理の質を上げる工夫と、業界の健全な発展に留意しながら新しい仕組みづくりを進めたい」(青木氏)。

 また、前職で都市局長としてまちづくりに関わったことから、宅建業者の事業承継の課題について、「地域に貢献し、社会から不動産業が大事な存在だと支持を受けることは大事。まちづくりに地域の不動産業の方々がもっと入ってきて欲しい。そこでネットワークを作ることが事業承継にプラスに働くだろう」との考えを述べた。

2019.09.13