
新・住生活基本計画、9月から議論開始
―国交省、策定メンバー改め21年閣議決定
国土交通省は、次期「住生活基本計画」の議論を始める。計画を策定する社会資本整備審議会住宅宅地分科会を、9月中にもメンバーを刷新して再開する。21年3月の閣議決定に向けて、早期に議論を開始し、20年夏にも大枠を決める方針だ。
次期計画は、「人生100年時代の到来」「良質な住宅ストックを活かした豊かな住生活の実現」「老朽化する住宅への対応」の3つを大項目に掲げる予定。人口減少が続き、世帯数も23年をピークに減少局面に突入することが予測されるが、単身高齢者・高齢者夫婦世帯は増加する見通しだ。今後の住宅には福祉との一層の連携が求められるようになる。また、単身高齢者の住宅確保も課題である。これらの対策や目標を「人生100年」の部分に盛り込む。
ライフステージに応じた円滑な住み替えの実現や、未利用の空き家や賃貸住宅を活用した住宅セーフティネットの構築を「良質な住宅ストック」で打ち出す。「老朽化する住宅」は、主に分譲マンションの老朽化に対して、適切な管理と建て替え促進の方策を練る。
住生活基本計画は、国民の住生活の安定の確保と向上の促進に関する基本的計画で、5年ごとに見直される。16~25年度を計画期間とする現行計画は16年3月に閣議決定された。既存住宅流通・リフォームの市場規模を13年の11兆円から25年に20兆円へと倍増させることや、空き家の数を25年に400万戸に抑制することなどの成果指標が示されている。次期計画の策定では、分科会に参加する業界団体を幅広くして多方面での議論を想定。前回より早めに始めて十分な議論の期間を確保する。
2019.08.30