国土管理のビジョン「管理構想」策定へ

―国交省、土地管理の方針見える化に着手

 国土交通省は、人口減少時代の国土の管理に関するビジョンと位置付ける「管理構想」を年内に構築する。将来的に放置されていくことが予想される土地のあり方について、国、都道府県、市町村、地域のそれぞれが役割分担して計画体系を示す。
 国土審議会計画推進部会・国土管理専門委員会がこのほど開いた第13回会合で、スケジュールを示した。国と都道府県は、悪影響の抑制の観点から放置すべきではない土地を類型化し、管理のあり方を示す「管理構想」をまとめる。

 市町村と地域に対しては、管理構想を地図に落とし込んだ「管理構想図」の作成を促す。市町村の管理構想図は、放置により無視できないほど大きな悪影響が発生する土地と、その土地の管理のあり方を地図上で見える化したものとする。地域の管理構想図は、「従来通りの方法で管理する土地」(青)、将来的には従来の管理を断念せざるを得ない土地で放置されると地域への悪影響が大きい場合は「新たな方法で管理する土地」(黄)、同じく断念せざるを得ない場合で周囲への悪影響が小さい場合は「必要最小限の管理」(緑)といった更に具体的分類で色分けしたものを想定。

 委員からは「管理構想の地図への落とし込みには技術・知識も含め相当なプロセスが必要」と、市町村などの負担増に配慮を求める声や、「管理構想図を作らない地域が出て空白ができてはいけない」などの声があがった。管理構想について同委員会は、11月頃に土台となる方向性の骨子をまとめる方針。また、並行して、中長期的に土地利用の問題が予想される地区の対応のあり方についても、事例調査を通じて分析する予定。

2019.08.30