
住生活基本計画、ストックの論点を議論
─空き家所有者情報提供は自治体に温度差
国土交通省は、住生活基本計画の見直し議論を進めている。このほど行われた社会資本整備審議会住宅宅地分科会では、同計画の住宅ストック領域について、さらに分野ごとの論点のたたき台を示して議論した。
住宅ストック領域は、住宅供給、面積、住宅性能、既存住宅流通・リフォーム、空き家・ストックの5分野を掘り下げる。併せて事務局による新たな調査データも公表された。誘導居住面積水準を満たす割合は、子育て世代が43%で他の世代(若年単身の33%を除く)より低く、十分な面積確保に至っていないことが分かった。また、空き家については、これまで所有者情報の外部提供を行ったことがある地方自治体の数は206自治体で、回答した1318自治体の15.6%だった。このうち18年度中に外部提供された空き家所有情報の件数を調査したところ、「0~5件」が46.1%と約半数が少数にとどまった。一方で「100件以上」提供したという自治体も3市ありばらつきがみられた。空き家所有者情報の外部提供を行った206自治体が提供先として示した「民間事業者等」の内訳は、「宅建業者」が170自治体(82.5%)で最多。
委員からは、既存住宅流通について「マンション管理組合からの仲介業者を通じた買主への情報公開を進めて欲しい」といった意見や、空き家については「相続した段階など早い段階からペナルティや解体支援なども含めた予防策を」など、多方面から意見が出た。 次回の来年1月16日からは「居住者の視点」を論点として議論を進める。3~4月は「その他の視点」を議論。国交省は5月の連休明けにストック・居住者・その他の議論を総合した中間とりまとめ案を示す方針。
2020.01.17