
適正管理マンションにインセンティブを
─国交省、社整審小委がとりまとめ案公表
次の住生活基本計画の策定に向けて、老朽化マンション問題を専門に議論する有識者会議が議論のとりまとめ案を示した。将来の管理不全を防止するため、適正な管理を行うマンションにインセンティブを与えることを検討することなどが盛り込まれた。
国土交通省の社会資本整備審議会住宅宅地分科会のマンション政策小委員会が示したとりまとめ案は、対象とするマンションの定義について「概ね2以上の区分所有者が存する建物で専有部分のあるもの」とし、現代のマンションを取り巻く課題や取り組むべき施策の方向性を示した。経年とともに管理組合の機能不全や修繕積立金の不足などの問題が顕在化している。区分所有者による管理のみでは一定の限界があることから、とりまとめ案は「行政の役割の強化」を求めた。
一部の地方公共団体や業界団体では、適正な管理を行うマンションを評価・認定する制度の導入や検討が行われている。しかしその普及は一部にとどまっていることから、「適正な管理を行うマンションに対するインセンティブ付与について検討することが重要である」と明記した。 また、管理を評価する仕組みでは、管理組合の情報開示のあり方にも配慮しつつ、「マンションを購入しようとする者が、その仕組みをあらかじめ確認できるようにすることが重要」と位置付ける。委員からは、情報開示について、管理組合だけでなく「売主」による情報開示でもあることを明確にすべきとの意見があった。内容の微修正後、年内にパブリックコメントを実施し、2月10日の次回会合でパブコメも反映した最終案を示す予定。
2019.12.27