
今後の土地・不動産政策は管理を重視
─国交省、国土審企画部会が中間まとめへ
国土交通省は、今後の土地政策の全体像となる「新たな総合的土地政策」の中間とりまとめを近く示す。12月9日に、策定議論の場である国土審議会土地政策分科会企画部会(第36回)を開き、「~適正な土地の「管理」の確保に向けて~」の副題を掲げた中間とりまとめの案を発表した。これからの土地・不動産政策は、管理をより重視する姿勢を示した。
中間とりまとめは、土地・不動産の有効活用に関する施策、土地・不動産の管理(地域への外部不経済の発生防止・解消)に関する施策、土地政策の推進を支える情報基盤の整備、所有者不明土地問題への対応について、方向性を掲げた。併せて来年予定されている土地基本法の改正での検討ポイントも整理した。
土地基本法改正で求められる基本理念は、土地所有者に対し、管理の責務を明確化することと掲げた。特に中間とりまとめでは、「新たな要素として、土地の積極的な利用の意思を伴わない『管理』の適正の確保に焦点を当てた政策を推進することが必要」としている。具体案として、所有者による管理委託のほか、所有者自らの土地管理が困難な場合には地域住民やまちづくり団体など所有者以外の者が役割を補完すること、地方公共団体や国による支援と、最終的な受け皿機能の確保まで踏み込んだ。
有効活用や管理に関する施策を機能させるための横串の役割を負う施策には、地籍整備の推進、不動産の価格や取引量に関するデータの整備などを挙げる。同部会は、89年の制定時以来の改正となる土地基本法の改正の後も、更に「新たな総合的土地政策」の議論を継続していく方針。
2019.12.13