再開発で大きく変わる街・渋谷、地価も大きく上昇
東京都区部の各地で進む再開発。そのなかでも再開発によって大きく変化するのがJR渋谷駅周辺と言われている。渋谷駅の駅上を含む、駅に直結・隣接したエリアで複数の大規模開発が進められていること、駅のホームの付け替えといった、駅構造のリニューアルも同時進行させていることなどが、その理由だ。渋谷駅上には、高さ約230mの超高層ビル3棟からなる「渋谷スクランブルスクエア」が開発中で、このほか開発済み・開発中の7プロジェクトの総開発面積は79万㎡に達する。再開発を実質主導する東京急行電鉄によると「東急グループの総力を挙げた100年に一度の再開発」と、渋谷に掛ける思いは強い。
渋谷駅周辺再開発事業の第一弾として登場した、オフィス・商業複合施設「渋谷ヒカリエ」の開業は12年のこと。それから7年が経過し、昨年以降は東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、施設の開業ラッシュの様相を呈している。昨年9月に駅直結の飲食・ホテル・オフィス等複合施設「渋谷ストリーム」が、今年5月に南平台地区にオフィスビル「渋谷ソラスタ」がそれぞれ開業した。今年度は、「渋谷スクランブルスクエア」の「東棟」が11月に、東急プラザ渋谷跡地再開発の商業施設「渋谷フクラス」が12月に、それぞれ開業する。それ以降は、23年度に国道246号線を挟んで隣接する「桜丘口」の再開発が完了、27年度に渋谷スクランブルスクエアの「中央棟」と「西棟」の2本のタワーが、それぞれ開業することで、一連の駅周辺再開発が完了する。
再開発の効果はどのように表れているのか、最近の地価動向で確認してみる。18年の東京都内の公示地価によると、商業地の上昇率トップ10地点のうち、8地点が渋谷駅周辺で占めた。渋谷ソラスタや渋谷フクラスが近い「道玄坂2丁目」地点では、上昇率が16.8%と駅周辺でトップ。旧渋谷公会堂跡地の再開発で、渋谷区新庁舎や分譲マンションの整備が進む「宇田川町」地点でも15.0%の上昇となった。再開発によって街の魅力が高まり、引いては人を引き寄せる。とくに再開発と地価の動向は関連性が強いため、これらのチェックは不動産投資において欠かせないポイントとなるだろう。
2019.08.02