関係人口が三大都市圏居住者の24%に

―国交省、経済的負担等が拡大の阻害要因

 国土交通省は、移住でも観光でもないが定期的・継続的に地域と関わりを持つ「関係人口」について実態調査を行った。三大都市圏に居住する約3万人を調査したところ、約24%に当たる6860人が「日常生活圏、通勤圏以外に定期的・継続的に関わりがある地域があり訪問している(地縁・血縁先の訪問のみ行っている人を除く)」と回答した。

 地縁・血縁先のみ訪問している人が全体の10%いたが、帰省的な要素が強く、これを除いたものを関係人口(訪問型)とした。関係人口(訪問型)6860人の訪問地域数(1人当たり最大3地区まで回答可)は1万893地域だった。関係先への移動時間は「30分以上1時間未満」が15.7%で最多。5時間以上かけて移動する人も11.9%いた。

 特定の地域と関わりのない人は全体の56%だった。このうち、「訪問・滞在して関わる地域があると良い」と「訪問・滞在はせずに応援できる地域があると良い」の回答の合計は29.6%で、約3割が居住地以外と何らかの関係を求めていた。残りの70.4%は「特に関わりを持ちたいと思わない」と回答。その理由は、「特に理由なし」が40.1%で最多だったが、次点は「経済的な負担が大きい」が29.4%、「時間的な負担が大きい」が28.1%だった。これらは関係人口拡大の阻害要因と考えられる。

 調査は今年9月に「地域との関わりについてのアンケート」として実施。このほど「ライフスタイルの多様化等に関する懇談会」で結果を発表した。今後は、買い物や趣味のみで帰り、地域の人と全く関わらない人を関係人口に含めるのかなど定義の詳細を詰める。

2019.11.15