
インスペクション、自社実施3.7万件
─国交省、制度施行1年で宅建業者に調査
国土交通省は、宅地建物取引業法が定める建物状況調査(インスペクション)の実施状況についてアンケートを行った。調査対象の媒介契約件数5万7141件のうち、3万7811件(66.2%)で宅建業者(自社)によるインスペクションが実施されたことが分かった。
アンケートは、インスペクション制度施行(18年4月)から1年が経過したことを受け、普及状況の確認のため宅建業者を対象に実施。372件の回答を得た。同様の調査を制度施行から半年後に実施していたが、宅建業者(自社)によるインスペクションの実施状況は今回初めて調査した。
調査対象の媒介契約件数のうち、インスペクション業者の斡旋の希望があったのは3723件(6.5%)にとどまり、大半の5万3418件(93.5%)は「斡旋の希望なし」だった。「斡旋の希望なし」のうち3万7811件が「斡旋ではなく自社で実施」されていた。インスペクション業者の斡旋の希望があった6.5%のうち、売主から斡旋の希望があったのは3398件(5.9%)、買主から斡旋の希望があったのは325件(0.6%)だった。業者斡旋の希望があったうち、実際に建物状況調査の実施に至ったのは3359件。このうち、売買契約の締結に至ったのは2312件だった。 実際にインスペクションを担う「既存住宅状況調査技術者」(一定の講習を修了した建築士)が所属する事業者(回答3385件)に対しても調査を行い、「実施上の課題」を質問したところ、「制度がまだ認知されていない」が74.8%で最多だった。
2019.10.25