国交省、地域の関係人口増大に向け議論

―テレワークや副業の利用率も調査し公表

 国土交通省は、地域の維持・向上に必要な存在として、移住でもなく観光でもないが特定の地域と継続的かつ多様な形で関わる「関係人口」に注目している。関係人口の現状と将来を議論する「ライフスタイルの多様化等に関する懇談会」の第2回会合では、ライフステージの段階と移住の関係や、働き方(テレワークや副業)に焦点が当たった。

 ライフステージの観点からみると、移住を容易に行える期間は、大学卒業後から就職前と定年後の限られた期間であると事務局から提示。特に拠点が必要となる子育て期間は移住がしにくく、関係人口としても地域との関係はライトなものとなることを示した。移住・定住を前提としない関係人口の積極的な活用が必要との方向性を確認した。

 ライフスタイルの多様化の一側面として、働き方の多様化が取り上げられ、テレワークと副業については国交省が実施した「地域との関わりについてのアンケート」から調査結果の速報値が公表された。三大都市圏の就業者で、定期的な収入を得ている人のうち、テレワークを行っている人の割合は約17%だった。同様に、副業を行っている人の割合は約27%。ともに普及率としてはまだ低いことが分かった。一方で、業務上の制約があるなかで特定の地域といかに「関わりたいと思うか」かが重要であり、関係人口になることと働き方には大きな相関は見いだされなかった。

 同懇談会は、次回(11月5日)は関係人口と「シェアリング」の関係に着目する。今回公表したテレワークや副業の調査結果も含めた関係人口の動態調査は、年度末に報告書としてまとめて公表する方針。

2019.10.18