下北沢駅エリアで3者連携のまちづくり

―小田急・京王・世田谷区が商業施設など

 東京・世田谷区の下北沢駅周辺で、小田急線の複々線化事業や世田谷区の道路整備で生まれた大規模事業用地の開発計画が進んでいる。小田急電鉄は世田谷区と連携しながら、約1.7kmにわたる鉄道跡地で、20年度内をメドに商業・宿泊施設など開業済みを合わせて計13施設が開業予定。先行して9月24日にはイベントスペースを開業。京王電鉄は、区や地元と計画策定へ協議を進め、区の整備するアクセス道路周辺で店舗など生活利便施設を開発する。

 小田急電鉄は、複々線化事業による鉄道跡地開発計画「下北沢地区上部利用計画」で、小田急小田原線・東北沢駅~世田谷代田駅の約1.7km、敷地面積約2万7500㎡に及ぶ都心の大規模開発エリアを「下北線路街」と名付けて開発を推進。開業済みの賃貸住宅とカフェや広場など複合施設の2施設に加え、商業・住宅の複合施設や交流促進型の学生寮、下北沢エリアで不足する宿泊施設など計11施設を20年度内をメドに開業する。9月24日、20年度内までの期間限定のイベントスペース「下北線路街 空き地」(世田谷区北沢2―33―12、下北沢交番横)を開業。敷地面積約1400㎡に常設カフェのほか、レンタルキッチンやキッチンカースペースを設けて地域の交流促進を目指す。星野晃司社長は「『支援型開発』をテーマに、地域の方々に愛着を持ってもらう施設の開発を目指す」とした。

 京王電鉄は、区が整備するアクセス道路に面した店舗の開発に向け、協議を行う。駐輪場の拡大や区の要望を受けた図書館カウンター設置など街の機能を向上する生活利便施設を開発する方針。京王の紅村康社長は「にぎわいある下北沢の街にフィットする開発を行う」とした。

2019.10.04