
世界都市力ランキング、東京は3位維持
―経済などのスコア低下、4位パリが迫る
森ビルの森記念財団・都市戦略研究所(所長=竹中平蔵・慶應義塾大学名誉教授)は、毎年公表している「世界の都市総合力ランキング」の19年版を発表した。トップ10都市の順位に変化はなく、ロンドンが1位、ニューヨークが2位、東京が3位だった。ただ、東京は4位のパリとの総合スコアの差が昨年よりも縮小した。
東京は「GDP成長率」「株式時価総額」などの経済関連に加え、高度人材の不足、英語力の弱み、起業支援の遅れによってスコアが低下した傾向がみられた。4位のパリは17年に24年五輪招致が決まって以降、総合スコアを伸ばしており、4位転落の要因となった15年のパリ同時多発テロで落ち込んでいた観光が復活し、東京の差がわずかとなった。2位のニューヨークと東京の差も広がった。
分野別でみると、東京は経済、研究・開発、居住、交通・アクセスの4分野で順位を落とした一方、環境は順位が上昇し、文化・交流も4位のままだが、スコアは伸びた。ただトップのロンドンと比較すると、文化・交流での差は大きい。東京はハイクラスホテルの客室数はトップ4都市で最も少なく、また「ナイトライフ充実度」の評価もトップ4都市で最低だった。「ナイトライフ充実度」のほか「働き方の柔軟性」などが今回調査から指標として追加されていた。
同研究所では東京への提言をまとめており、近年評価が上がってきている文化・交流分野に関してはハイクラスホテルの整備、ナイトタイムエコノミーの活性化、文化・エンタメ施設の整備、多言語対応の推進を挙げた。
2019.11.29