
低未利用地、利用価値に着目した施策へ
―国交省、総合的土地政策の中間まとめ案
国土交通省は、20年に予定されている土地基本法の改正の先を見据えた「新たな総合的土地政策」について、中間とりまとめの骨子案を示した。既に活用されている土地・不動産と、低未利用な土地・不動産に分け、それぞれの施策の方向性を明記。低未利用な土地・不動産については、市場での利用価値に着目した3パターンに分類して取り組み方を掘り下げた。
このほど国土審議会土地政策分科会企画部会(第35回)を開いて骨子案を提示した。骨子案は、同部会による「土地政策の新たな方向性2016」や、国土審議会土地政策分科会特別部会が今年2月にとりまとめた内容を土台にした。
既に活用されている土地・不動産は「最適活用」を掲げ、成長分野の需要の取り込みや防災、SDGsなどの観点も含めた土地利用最適化のための誘導的施策に取り組む。具体的施策には、ウォーカブル都市の構築やコンパクトシティ施策の推進、不動産投資の活性化、既存住宅流通の促進などが挙げられた。
低未利用な土地・不動産は、①市場で利用価値が認められるもの②市場で認められにくい利用価値があるもの③利用価値が認められないもの-に分類。①は取引コストが相対的に高くなる少額不動産の流通促進策や、ランドバンクを形成・確立することで潜在的価値の顕在化を図る。②は土地・不動産の集約と再編で公共空間を創出し、地域資源としての利用促進に取り組む。③は管理不全土地対策が柱となる。防災の観点を含めて、所有者以外の主体による管理を可能とする措置を講じていく。骨子案を更に肉付けし、次回12月9日の会合で中間とりまとめとする方針。
2019.11.29