デジタル社会整備法で押印廃止と電子化

デジタル社会整備法で押印廃止と電子化

 9日にも閣議決定される見通しの「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案(仮称)」により、押印と書面交付を義務付けていた法律が一括改正される。押印は原則廃止、書面も紙に代えてデジタル媒体での提供が可能となる。宅地建物取引業法では、重要事項説明書等の押印廃止や電子化が実現する。このほか、不動産業界に関連する業界でも押印・書面交付の見直しが進む。

 建築士法は、建築士が設計を行った場合に作成する設計図書に記名押印を義務付けているが、押印は廃止される。建築士が設計図書を作成する際の負担を軽減し、データによる作成・保存も容易となる。また、マンション管理適正化法は、マンション管理業者が管理組合と管理受託契約を締結するときに交付する重要事項説明書等について、管理業務主任者が記名押印する義務を定めるが、書面の押印を廃止する。このほか押印廃止は、国土交通省関連では、不動産の鑑定評価に関する法律(鑑定評価書への押印廃止)、不動産特定共同事業法(不動産特定共同事業契約の成立前に交付する書面等への押印廃止)など計6法律を改正する。

 建設業法は、建設業者に対し、建設工事の注文者から請求があったときは見積書を交付しなければならないと定めている。改正後は、見積書は建設工事注文者の承諾を得れば、電子化して送付することができるようになる。書面の電子化は、マンションの建替え円滑化法(組合員による議決権の行使における書面の電子化)、高齢者の居住の安定確保に関する法律(サービス付き高齢者向け住宅に係る契約締結前説明書面の電子化)など、国交省関連は17法律が改正される。

2020.02.12